Column ダイレクト出版採用コラム

新しい仕事選びのルール

小川忠洋

昨日は、仕事選び、会社選びの失敗率がとても高いという話だった…

そして、その根本的な原因は、自分の強み・特性を知らず、社会の仕事を知らず、

本来は二つのマッチングであるにもかかわらず、その両方とも知らないんだから、

まぁ、失敗するのが当然だという話だった…

そして今日は、じゃあどうすればいいんだ?
という話なんだが、残念なことに、これに簡単な答えはない。

しかしヒントはある。

そもそもの間違いの出発点は、失敗率の高いゲームなのに「自分は成功する」と思って動いていることである。

だから、どこか有名な会社に内定が取れると

「成功した」と勘違いしてしまう

しかし、実際には、その時点でも50%くらい失敗であるケースがほとんど。

そして、「自分はうまく行く」あるいは「うまくいった」と思っているから、失敗だった時に取り返しがつかない事になる。

では、どうすればいいか?

そもそもの出発点が「失敗するもの」と思ってかかる事だ。

それはどういう事かというと、先ほど、言ったように、成功する確率の低いゲームなら、それに適応したやり方でプレイしないといけない。

例えば、投資にたとえてみよう。

あなたがこれから先、その会社に就職するのではなく、「投資」するとしたらどう動くか?考えてみよう。

その会社の株が上がるか下がるかは、五分五分。

事実、あなたはどこかの会社に「お金」は
投資しないだろうが、「時間」を投資することになる。

あなたの手持ちの「時間」が「投資資金」だと考えてみよう。

はたしてどんな投資スタイルを取るだろうか?
みんなが買ってるから買うだろうか?
有名だから知ってる会社だから買うだろうか?
いや、それより何より、
手持ちのすべての資金を1社に投資するだろうか???
五分五分の確率でしかないのに???

もちろん、しないだろう。
そんな事をしてるやつが隣にいたら、
なんの考えもないバカだと思うだろう。

でも、就活、仕事選びではみんなそれをしている。だからこそ、周りのみんなのマネをしたらいけないというわけだ。

投資だと考えてみたら、あなたが持っている手持ち資金のすべてを特定の1社にかけるのが、どれほどリスクが高いかはわかるだろう。

だから、投資するならリスクヘッジをするはずだ。

つまり、何をするかというと、
手持ち資金の「一部」をお目当ての会社に投資する。

そして、それが成功するか失敗するかを見るだろう。

それが失敗したら、資金の一部を失うことになる。

しかし、その経験から学んだので、次はより良い選択ができる。

それが成功したら、残りの資金をつぎ込んでもいい。

つまり、少しずつ「実験」して、
その結果から「学習」をする。そうすることにより次はより良い選択ができるようになる。

これは、実際の投資も、キャリア形成も同じだ。

違うのは、扱っている資金が「お金」と「時間」であること。

お金は複数のところに同時に投資できるが、
時間はそうもいかないというところくらいじゃないか。

実際、社会に出て、仕事を2〜3年もすれば、自分が何が好きで、何が得意なのかというのが少し見えてくる。
(安心してほしい。ぼくが自分のコレだ!という得意分野を見つけたのは30歳くらいの頃だから)

そして、社会にどんな仕事があるのか?というのも、経験上、わかってくる。

つまり、2つの要素のうちの自分の強みと社会の仕事
両方の情報量が増えてくる。

情報量が増えれば、より良い判断ができる。

もちろん、運が良ければ最初から最高の選択ができる。
運が悪ければ、なんどやっても間違いを繰り返すかもしれない。ある程度、運の要素があるのは否めない。

しかし、大切なのは、最初から1社にすべてを賭けないこと。

まず、最初の1社では、「社会学習」くらいのノリが良いと思う。

そして、大切なのは、「やり直しが効く選択」をしておくことだ。

先ほども言った通り、最初から失敗することを考えず、全資金を賭けてしまうと、実際に失敗した時にどうにもならない。

実際の話をカルチャーブックにも書いたが、会社に入って、会社に「依存」してしまうと、後戻りが効かない。

会社を辞めたくても辞められない状態になってしまう。

しかし、どこの会社に入っても依存せずに、「自立」しておけば、その会社を辞めて、次の手を探すこともできるだろう。

「自立する」とは結局のところ、自分の能力を高めることだ。

そして市場価値を高めることだ。

市場価値というのは市場での価値だから、ある特定の会社での価値とは違う。

他の会社、あるいはお客さんから直接「買い」がかかるのが市場価値だ。

だからこそ、複数の選択肢が自動的に生まれる。

そして、市場にはいろんな市場がある。

会社の中では価値があっても、一歩、外に出たら何もできない、、、という人間は、どんなに有名企業に入れても、市場価値は低い。
そのため他の選択肢が実質ない。

つまりは会社に入ったらゴールではなく、会社に入っても、いつでも辞められるように、自分の能力、知識、スキルを高めておかなきゃならない。

しんどい道のように思われるかもしれないが、出口のない不満に耐え忍び続けるよりも、はるかに、楽な道だと思う。

自分の能力を磨き、実験>学習を繰り返し、30歳くらいまでの時間軸の中で、

自分の強み、好きなこと、やるべき仕事が何であるかを決めることだ。

22歳の何も知らない時点で、一発勝負に出てはいけない。

-おがわ

PS: ちなみに20代というのは、実はこれからの仕事人生の中で
最も重要な時代だと言える。明日はその話をするので、
楽しみにしててほしい

トップに戻る