INTERVIEW

一流の先生から
一流の知識を学べる!
知的好奇心が
満たされる仕事です

小川友希
経営科学出版

インターンの採用試験でわかった会社の「違い」

僕は大学2年生のときから、学生インターンとしてダイレクト出版に入社しました。大学3年生になったらいよいよ就職活動が始まりますが、僕にはとくにやりたいと思う仕事もなく、そもそも世の中のことに疎すぎて、どんな会社を選べばいいかも全然わからなかった。このまま就職活動に突入するのは怖すぎると思い、今のうちからインターンでもやって、見聞を広めようと思ったのです。
大学で行動経済学を専攻していた僕は、人がどのような心理で行動・選択をするのかということに興味がありました。そこでマーケティング業界や広告業界からいくつか面白そうな会社をピックアップして、3社ほど面接を受けました。
そのなかでダイレクト出版を選んだのは……、面接時間が一番長かったから(笑)。新卒採用の試験でも面接時間15分……みたいな会社が多いなか、ダイレクト出版は学生インターンの採用に1時間、それも1対1の面接を数回もかけておこなってくれたのです。また、他の会社では「僕」という人間についてはほとんど聞かれませんでしたが、ダイレクト出版ではちゃんと自分を見てくれている感じがしました。
「あれ? ここの会社、なんか違う……?」と、面接後に俄然、興味が湧き出した僕。本来なら応募するタイミングでもっと調べておくべきなのでしょうが、僕は面接後にようやく会社のことをきちんと調べ始めたのです。

すると、ダイレクト出版が強みとしているセールスライティングというスキルに行き着きました。セールスライティングというのは、人に何らかのアクションをしてもらうのを目的とした広告コピーを書く技術のことです。行動経済学や行動心理学に興味のある人間からすると、見逃せないスキルです。
仕事とは関係なく単純に面白そうだと思い、内定が出る前から勝手に勉強したりしていました。自分が知らない世界にも、ちょっとしたきっかけで興味を持てるものが転がっていたりする。世の中は本当に広いですよね。
とはいえ、僕はサークル活動にも取り組みたかったので、そんなにガツガツと働いていたわけではないんです。出勤するのは週に2日か3日程度。なので、インターン時代にとくに重要な仕事を任されたという記憶はありません。それでも当時はめちゃくちゃ楽しかった。やはり意識の高い人たちに囲まれてセールスライティングを学べる環境だったからでしょう。少ない出勤日のなかでも、仕事にはのめり込みました。
当時、僕がやっていたのは「ハードセル」(主にセールスページを訪問してもらうことを目的としたメール)のコピーを書くこと。見込み客に商品のお知らせを送ったりするのですが、「売り込みでありながらコンテンツでもある」というのが肝で、お客さんの信頼を下げないように面白く意外性のあるコンテンツを紹介しつつ、読んだあとに購入に近づいた状態になってもらうことを目指します。まさにセールスライティングを実地で学びながら仕事しているようなものですから、楽しくないわけがないんです。

どこの会社も「普通」に見えるのはなぜ !?

そんな僕も、いざ大学3年生になって就職活動が始まったときは、どうするかちょっと悩みました。相変わらず世の中のことを全然知らないという思いがあったので、とりあえずいろんな会社に応募して、人事の人と話をしたら、何か見えてくるものがあるかもしれないと思った。条件としては、自分の市場価値を高められそうな会社であること。そう、本書の冒頭で代表の小川が書いていることです。当時から小川はそういう話をしてくれていたので、僕もバッチリ影響を受けていたのです(笑)。
自分の市場価値を高めようと思ったら、世の中のどこに出ても通用するスキルを身に付ける必要があります。となると、世界……とまでは言わなくても日本のなかで、何かトップクラスのものがある会社がいい。そういう会社であれば、そこでしか得られないスキルが何か身に付けられるだろうと考えました。そこで手始めに、ウェブを活かして急成長している広告代理店など、面白そうな取り組みをしている企業に狙いを定めて就職活動を開始したのです。
ところが、面接で「御社で身に付けられるスキルは何かありますか?」「できるようになることは何ですか?」と聞いても、返ってくる言葉は「若いときから大きな裁量があってプロジェクトを任せられる」とか「自分のアイデアを形にできる」ということばかり。
僕は「それって別にこの会社じゃなくてもよくない? なんなら自分の行動次第だし」と思いました。今から思えば、ダイレクト出版でインターンをしていたことで、会社選びのハードルがめっちゃ上がっていた(笑)。今なら世の中には若手の活躍の場が少ない会社だとか、新しいアイデアには否定的な組織もあるとわかります。でも、もっと明確に自分が身に付けられるスキルを求めていた僕には、その会社のアピールポイントが全然響かなかったのです。
そういう観点で見れば、ダイレクト出版にかなう企業は他にはなかなかないんですよね。若手が活躍できる場なんて、若い人が多いダイレクト出版ではむしろ当たり前だし、アイデアを口にしたら「いいね、じゃちょっとやってみようか」と即実行できる柔軟さ。それに加えて、ダイレクト・レスポンス・マーケティングやセールスライティングでは間違いなく日本トップクラスという自負があるし、そのスキルはどこに行っても通用します。
実際に就職活動をしてみたら、ダイレクト出版のよさを再認識するだけという結果に終わりました。それでそのまま新卒採用に進むことにしたのです。

一流の先生から一流の知見を学べる!

わかっているつもりでした。でもいざ社員として仕事に取り組んでいくと、僕にとって驚きの新発見があったのです。
それは、ダイレクト出版では一流の先生方の知見を学ぶ機会に満ちているということ。僕が聞き逃していただけかもしれませんが、当時、そんな話は社内で耳にしたことがなかったので、「なんでこんなメリットがあるって誰も言ってなかったの!?」と思いました。
もちろんそれは、出版社や新聞社などメディアを持つ企業にとっても同じですから、ダイレクト出版だけの特徴ではありません。でも、「マーケティングの会社」という先入観があった僕にとって、これは衝撃的な発見でした。
ダイレクト出版では、政経部門、投資部門、フィットネス部門などのように、部署ごとにある程度のジャンル分けがされています。でも、僕がインターン時代から配属されている経営科学出版では、1つの組織のなかで政治経済も扱えば、メンタルヘルスや自己啓発もあり、断捨離やフィットネスもある……という具合に、広範なジャンルを扱っています。だからなおさら知的好奇心を刺激する。

最初のきっかけは、新卒採用後すぐにジャーナリスト上島嘉郎先生の新規事業の立ち上げを任されたことでした。上島先生は、日本を代表する保守系オピニオン誌「正論」(産経新聞社)の元名物編集長。「正論」を今の地位まで育て上げた功労者であり、石原慎太郎さんや渡部昇一さん、西部邁さんといった大御所の先生方とも親交が深く、見識の高さと話の熱量に定評のある方です。
経営科学出版の大きな柱の1つが、当時から「月刊三橋」(三橋貴明先生)に代表される政治経済系のコンテンツでした。そこで、政治経済系でもう1つ新しい軸を作ろうということで立ち上がったのが上島事業です。異例なことに、僕は新卒でありながらこの事業の責任者を任されることになったのでした。当時はまだ経営科学出版は規模が小さく、人手がまったく足りていなかったので、新人の僕に白羽の矢が立ったのです。まさに猫の手も借りたいという状態ですね(笑)。
もちろん新人なので、最初からすごいアイデアが出せるわけではありません。基本は上司の力を借りながら手を動かすという感じでしたが、最初に手がけた「大東亜戦争の研究」というオンライン講座がこれまた異例の大ヒット。6000万円という売上を記録しました。
このときから僕はずっと上島先生の担当を務め、今では先生と膝を突き合わせながら、どんな企画・構成にするかのアイデアを出せるようになりました。先生からは実の息子のように可愛がっていただき、仕事だけの付き合いではなく、人生の大先輩として、物事の捉え方や考え方、事実に基づいて判断するための前提となる知識など、さまざまなことを学ばせていただいています。
一流の人から一流の教えを直接受けられる。そのすごさを最初に実感したのが、この上島事業でした。

コンテンツを作りながら自分自身も高めていける

もう1つ、一流の先生から学んだ知見で印象的なエピソードがあります。それは、スポーツドクターの辻秀一先生が提唱する「フローマインド」です。「フロー」というのは、心が「揺らがず、捉われず」、集中とリラックスが共存している状態を指します。この状態のときに人はパフォーマンスが上がるので、辻先生は自分で自分の心をフローにもっていくための脳の機能トレーニングを提唱されているのです。コーチングの相手には現役Jリーガーやオリンピック選手も多数います。

僕は辻先生の担当でもあり、このフローマインドの商品を制作する過程で、自分の性格的な問題点をかなり改善することができました。じつは、今チームの誰に言っても全然信じてもらえないのですが、昔はかなり怒りっぽく、それに問題意識を感じていたのです。
たとえば僕は小中高とサッカーをやっており、キャプテンに指名されることもよくありました。でも、結果を出そうと思えば思うほどメンバーとぶつかり合う。「おい、それ違うやろ! 何回言わせるんや!!」みたいに怒鳴ってしまうこともしばしば……。
元が熱い人間なので、そんなところを買われてキャプテンになっているというのに、リーダーシップを発揮しないといけない場面になると、どうしても自分の性格が裏目に出てしまうのです。
怒鳴られるものだから、後輩なんかは戦々恐々。言いたいことがあっても言えなくなってしまったりします。チームを率いるときに、それは確実にマイナスでしょう。自分の性格ではリーダーとしてうまく機能しないとずっと悩んでいました。
を自分で創り出せるようになり、怒りのコントロールもかなりできるようになったのです。コンテンツを制作するためには、活字で知識を得るだけでなく、先生が開催している受講費20万円(! )の人気ワークショップなどにも参加させていただくので、かなり深いレベルで学べます。そこで身に付けた知識は、当然、コンテンツ制作へと活かされますが、自分自身の血肉にもなるわけです。
今、僕はマネージャーとして部下を率いる立場なので、この性格が改善できてすごくよかった。昔のように怒鳴り散らしていたら、きっと誰も付いてきてくれませんからね(笑)。
もともと僕は見聞を広めたいという思いで学生インターンをやり始めましたが、一流の先生が一生をかけて取り組んでいるものを、当のご本人から直接教えてもらえることほど、自分の見識を高めてくれる機会はないでしょう。その意味でも、ダイレクト出版の仕事は僕にとって非常に大きな価値があるのです。

広告の質とプロダクトの質、両方必要

ダイレクト出版は一般的な出版社のように、取次会社(出版社書店のあいだをつなぐ流通業者のこと)に配本してもらって書店に置くというスタイルの会社ではありません。広告によって訴求し、読者に直接販売するという新しい形態の出版社です。書店でダイレクト出版の本を見かけないのはそういうわけです。だからこそ思い切った企画もできるし、書籍に限らず多様なメディア形態でコンテンツが作れます。そして売る手段が限られている出版社よりも業績が伸びているのです。
しかし、マネージャーとして組織を管理する立場になってつくづく思うのが、事業を成長させ続けることの難しさです。ある程度の成果が出ていれば、人間、気が緩んで「もうこれでいいか」と思うこともあるでしょう。でもそう思ったときが、事業の成長が止まる瞬間なのかなと思います。
今、僕は一流のビジネスマン、一流の経営者になることを目指しています。これは本当に経営者になりたいという意味ではなく、どんな状況でも売上を立てられ、組織を成長させ続けられるような人間になれたら、ものすごく市場価値が高いと思うからです。
僕はまだ27歳ですから、正直なところまだまだ経験値が足りていない。事業を成長させ続けるための指針は上司の判断に負うところが多く、その羅針盤を失ったら道を見失いかねないという思いがあります。だからこそ、自分1人でも正しい判断ができるように、一流の経営者という視点を身に付けたい。
「成長しないと組織は腐る」とは、尊敬するその上司の言葉です。だからダイレクト出版はこれまでの成長に慢心せず、今後も良質

なプロダクトを企画する力と、広告によって価値を伝える力の両方を伸ばしていかなくてはいけません。この2つがダイレクト出版の成長を支える根幹だからです。
2つの力を両方伸ばしていくのはなかなか難しいことではありますが、もともとプロダクトと広告は車の両輪でもあります。たとえば、僕たちはマーケティングの技術がありますが、コピーを書いていると、「この商品、もっとこういうことが言えれば人の心に刺さるのにな」と思うことがあります。そうなると、今度はそう言えるような商品を作ろうとしますから、プロダクトのクオリティもどんどん上がっていく。セールスライティングというスキルがあればこそ、それをプロダクトのクオリティに転化していく視点もあるわけです。それはダイレクト出版の強みとも言えるかもしれません。
そしてダイレクト出版には、もっとよいものを作ろう、もっと会社を伸ばしていこう、もっと世の中に貢献できる仕事をしようという熱量の大きい人がたくさんいます。会社の人たちと居酒屋に飲みに行くと、「5年後、10年後のダイレクトはどうなったらいいと思うか」なんて議論になることもしばしば。自分もそうですが、「熱い人たちがおるな」という感じ(笑)。
そういう熱い人がたくさんいる限り、ダイレクト出版の未来は明るいと感じます。5年後、10年後にはもっともっといい会社になって、自分たちが信念を持って取り組んだ、さらに質の高いプロダクトを世に発信し続けていることでしょう。
小川友希
Yuki Ogawa 1994 年、福岡県生まれ。京都大学経済学部卒。大学2年生の 2016 年よりインターンとしてダイレクト出版に入社。配属された経営科学出版では、新卒時より上島嘉郎氏(「正論」元編集長)を起用した「上島事業部」の立ち上げ責任者に抜擢される。2021 年より上島事業部と堤事業部(国際ジャーナリスト・堤未果氏)でマネージャー職を兼務。