INTERVIEW
名門野球部から
モラトリアム大学生になってわかった
仕事に夢中になれることの幸せ
- 清水智也
- マーケティング部門
INTERVIEW
僕が入社3年目からずっと所属しているマーケティング事業部は、「マーケティングの知識」そのものを商品とする部署です。オンライン講座やスクールで知識を直接お客様に届けたり、紙やウェブ媒体のコンテンツを制作したりしています。
今でこそこうしてマーケティングにどっぷり浸かっている僕ですが、じつは大学3年生のときにダイレクト出版でインターンを始めたときは、マーケティングへの興味はゼロでした(笑)。当時はまだインターン制度がきちんと整っていなかったので、バイトの延長という感覚ではありましたが、正直なところ、どんなことをやっている会社なのかもよく理解しないまま入社したのです。
そんな僕がなぜダイレクト出版で働くことになったかといえば、話は高校時代まで遡ります。僕が通っていた高校は、いわゆる野球の名門校。頑張れば甲子園が狙える学校です。野球少年だった僕も、もちろん部活は野球部に所属しました。
強豪校なので、練習は超絶ハード(笑)。朝は7時から練習が始まり、放課後は他の部活が6時半に終わるなか、なぜか僕たちだけは夜9時まで練習が続くんです。そのあと自主練もするので、ようやく帰宅できるのは夜10時近くになってから。
転機は唐突に訪れました。それは尊敬する大学のゼミの先輩に話を聞いてもらっていたとき。「大学生活が面白くない」と言う僕に、その先輩は「じゃあ働いてみたら?」とあっさり言ってのけたのです。大学生のうちから将来、起業することを考えており、勉強熱心で行動力もあって、めちゃくちゃカッコいいと思う先輩からそう言われて、僕は目からウロコが落ちる思いでした。
当時、僕は大学生の自分が働くといったら、そのとき自分がやっていた飲食店のアルバイトのような仕事しかないと思っていたのです。ところが先輩が言うには、飲食店バイトのようにただ言われたことを機械的にやるだけではなく、大学生でも正社員と同じようにバリバリ働けて、グングン学べる面白い会社があるんだという。ご想像のとおり、先輩はすでにダイレクト出版で学生インターンとして働いていたのです。
1日説明会やグループワークをするだけの“名ばかりインターン”が多いなかで、ダイレクト出版の長期インターンは本当に社員と同じように仕事をし、社員と同じように大きな仕事も任されます。余談ですが、当時はまだあまり整備されていなかったダイレクト出版の学生インターンの仕組みは、後にその先輩と僕の2人で作り上げたものです。
そんなわけで、尊敬する先輩がそれほど熱をこめて話すのだから、自分も本気になれるかもしれないと思った僕は、すべてのバイトを辞め、大学3年生からダイレクト出版で働くようになったのでした。僕は、本気になれるものがあれば何でもよかった。でも、結果は先輩の思惑どおり。脇目も振らずに仕事に邁進することになりました。実際に入社して驚いたのが、ダイレクト出版が部活そっくりだったこと(笑)。もちろん根性論とかそういうのではありませんよ。周囲で働いている人たちがみんな一生懸命で、事業を伸ばすためにああだこうだ言い合いながら、がむしゃらに頑張っている——その雰囲気が高校の部活みたいだと感じたのです。そこで話される内容は当時の僕には理解不能でしたが、そうやってマーケティングについて語り合う姿はすごくカッコいいなと思いました。
今でも僕は、部活のような気持ちで仕事をしています。1つの目標に向かってみんなで頑張る——そういう熱量のようなものがダイレクト出版の土壌にはあるんです。
僕はそのときからマーケティングに夢中になってしまったわけですが、ただ雰囲気が熱血部活みたいだからというだけでマーケティングにハマったわけではありません。
僕が最初に配属された出版事業部では、海外の起業家やマーケターが書いた膨大な書籍のなかから良書を選び出し、翻訳書として日本で販売するという事業をやっています。僕に与えられたミッションは、そのなかの一冊をネットで販売すること。そのためのセールスページを作るというのが初仕事でした。
自分で販売するためには、どうしたら人に買ってもらえるのかを知らなくてはいけません。僕はそのとき初めてマーケティングについて勉強することになりました。それが面白いのなんの。広告文1つでこんなに顧客の反応が変わるのかと、まさにのめり込みました。しかも、どれだけ追究しても終わりがない。
飲食店バイトをしていたときは、経験のない最初こそ新鮮で面白かったものの、ひと通り仕事を覚えてからは同じことを繰り返すだけで、時間を切り売りしている感じがしたものです。でも、マーケティングはやり切るということがないのです。1つ手法を身に付けたらまた次。それを身に付けたらまた次と、どんどん高みを目指せます。飽きるということがない。
代表の小川は僕が尊敬するマーケターの1人で、実際にすごい人ですが、その小川でさえ「自分はまだまだ」と言うくらいです。小川と僕であれば、販売するのが同じ商品だったとしても、成果は100倍も200倍も変わるでしょう。つまり、マーケティングというのは誰がやっても同じというわけではない。そしてその差を生むのは、自分が一生懸命身に付けたスキルや知識だということです。
さて、そんな僕の当面の課題は、視座を高めることです。ダイレクト出版では、一従業員であっても「経営者マインド」を持って仕事に当たることが求められるのです。上司からも、「ただの従業員として事業を見るんじゃなく、自分が経営者だったらどうするか考えながら仕事しろ」と常日頃、フィードバックを受けています。自分の成果が上がれば当然、評価はしてもらえますが、それはプレイヤーとしての評価。その先は、マネージャーとしての成果がなければ評価にはつながっていきません。そうでないとチーム全体、組織全体で成果を出していくことができないからです。
そのためにダイレクト出版では、小さい組織(事業部・チーム)で全体像を見ながら仕事するという仕組みになっています。事業部はどれだけ大きくても20人以下。3~4人で回している事業部もあります。イメージは部署それぞれが従業員20人以下の小さな会社で、それが集まってダイレクト出版になっているという感じ。小さい組織なので、事業の数字やP/L(損益計算書)を見ても、自分の仕事がどう影響しているかということがよくわかります。
僕はダイレクト出版のことが大好きです。だって、こんなにマーケティングに特化した会社って他にないですよ。僕らはずっとマーケティングに力を注いできたので、商品の価値を伝えて販売するという力は、そんじょそこらの企業には絶対に負けません。
ダイレクト出版のマーケティングにかける熱意はすごくて、インフラまで自社で開発するという徹底ぶりです。一例を挙げると、ある商品を販売したときに「こちらの商品も一緒にいかがですか?」と勧める手法をアップセルといいますが、「これはいい仕組みだ。やろう!」と思っても、そもそもそのための決済システムを持っていなければできないんですね。
さらに、そのお客様にぴったり合った商品を案内するのが一番いいマーケティングですが、それだって顧客リストを細かく細かく管理してセグメントするシステムがなければできません。ダイレクト出版は自分たちに必要なシステムを自社で開発しているので、やりたいと思ったマーケティングの施策ができないということがないのです。それは珍しいことだと思います。
マーケティング力と、それを実行できるインフラシステム。この2つが揃っていることがダイレクト出版のすごいところです。だから僕は誇りを持って働いているのですが、本音を言えば、もっと会社の名前を有名にしたいという気持ちもあります。