INTERVIEW

名門野球部から
モラトリアム大学生になってわかった
仕事に夢中になれることの幸せ

清水智也
マーケティング部門

マーケティングへの興味ゼロで入社したワケ

僕が入社3年目からずっと所属しているマーケティング事業部は、「マーケティングの知識」そのものを商品とする部署です。オンライン講座やスクールで知識を直接お客様に届けたり、紙やウェブ媒体のコンテンツを制作したりしています。
今でこそこうしてマーケティングにどっぷり浸かっている僕ですが、じつは大学3年生のときにダイレクト出版でインターンを始めたときは、マーケティングへの興味はゼロでした(笑)。当時はまだインターン制度がきちんと整っていなかったので、バイトの延長という感覚ではありましたが、正直なところ、どんなことをやっている会社なのかもよく理解しないまま入社したのです。
そんな僕がなぜダイレクト出版で働くことになったかといえば、話は高校時代まで遡ります。僕が通っていた高校は、いわゆる野球の名門校。頑張れば甲子園が狙える学校です。野球少年だった僕も、もちろん部活は野球部に所属しました。
強豪校なので、練習は超絶ハード(笑)。朝は7時から練習が始まり、放課後は他の部活が6時半に終わるなか、なぜか僕たちだけは夜9時まで練習が続くんです。そのあと自主練もするので、ようやく帰宅できるのは夜10時近くになってから。

僕は自宅が離れていたので、朝は6時前に家を出て、夜帰宅すると11時過ぎというのも珍しくない生活を送っていました。家に帰り着くと、まずは夕飯をかっこみ、風呂に入って、ユニフォームを洗濯する。それだけで12時は確実に回ります。あとは泥のように寝る。翌日はまた朝練のために早起きしないといけませんから、テレビを観たりマンガを読んだりする時間はありません。友達と遊ぶ時間も皆無でした。
高校生の僕にとっては、これがキツかった。それで僕は、「大学生になったら野球はもうやめて、バイトして友達と遊んで、とにかく大学生らしいことしよう!」と決めていました。当時はそれが青春を謳歌することだと思っていたのです。
その決意どおり、晴れて大学生になってからは、バイトに明け暮れ、仲間とドライブしたり、ボーリングに行ったり、酒盛りをしたり。典型的なモラトリアム大学生の生活をエンジョイしていました。ところが、何かが物足りない……。夜遅くまで仲間と飲み、バカ話に花を咲かせて、その瞬間は楽しいけれども、翌日は二日酔いで大学を休む――自分は一体何をやっているんだろうと、よく自問したものです。
そんなとき僕が決まって思い出すのが、高校時代の野球部のことでした。練習がキツくて、あれだけ「野球やめたい」と思っていたのに、みんなで甲子園を目指して、毎日夜遅くまでアホみたいに練習していたあの時期が、結局、僕のそれまでの人生のなかで一番充実していたのです。

社内の雰囲気が熱血部活にそっくり !?

転機は唐突に訪れました。それは尊敬する大学のゼミの先輩に話を聞いてもらっていたとき。「大学生活が面白くない」と言う僕に、その先輩は「じゃあ働いてみたら?」とあっさり言ってのけたのです。大学生のうちから将来、起業することを考えており、勉強熱心で行動力もあって、めちゃくちゃカッコいいと思う先輩からそう言われて、僕は目からウロコが落ちる思いでした。
当時、僕は大学生の自分が働くといったら、そのとき自分がやっていた飲食店のアルバイトのような仕事しかないと思っていたのです。ところが先輩が言うには、飲食店バイトのようにただ言われたことを機械的にやるだけではなく、大学生でも正社員と同じようにバリバリ働けて、グングン学べる面白い会社があるんだという。ご想像のとおり、先輩はすでにダイレクト出版で学生インターンとして働いていたのです。
1日説明会やグループワークをするだけの“名ばかりインターン”が多いなかで、ダイレクト出版の長期インターンは本当に社員と同じように仕事をし、社員と同じように大きな仕事も任されます。余談ですが、当時はまだあまり整備されていなかったダイレクト出版の学生インターンの仕組みは、後にその先輩と僕の2人で作り上げたものです。
そんなわけで、尊敬する先輩がそれほど熱をこめて話すのだから、自分も本気になれるかもしれないと思った僕は、すべてのバイトを辞め、大学3年生からダイレクト出版で働くようになったのでした。僕は、本気になれるものがあれば何でもよかった。でも、結果は先輩の思惑どおり。脇目も振らずに仕事に邁進することになりました。実際に入社して驚いたのが、ダイレクト出版が部活そっくりだったこと(笑)。もちろん根性論とかそういうのではありませんよ。周囲で働いている人たちがみんな一生懸命で、事業を伸ばすためにああだこうだ言い合いながら、がむしゃらに頑張っている——その雰囲気が高校の部活みたいだと感じたのです。そこで話される内容は当時の僕には理解不能でしたが、そうやってマーケティングについて語り合う姿はすごくカッコいいなと思いました。
今でも僕は、部活のような気持ちで仕事をしています。1つの目標に向かってみんなで頑張る——そういう熱量のようなものがダイレクト出版の土壌にはあるんです。

マーケティングにのめり込んだ瞬間

僕はそのときからマーケティングに夢中になってしまったわけですが、ただ雰囲気が熱血部活みたいだからというだけでマーケティングにハマったわけではありません。
僕が最初に配属された出版事業部では、海外の起業家やマーケターが書いた膨大な書籍のなかから良書を選び出し、翻訳書として日本で販売するという事業をやっています。僕に与えられたミッションは、そのなかの一冊をネットで販売すること。そのためのセールスページを作るというのが初仕事でした。
自分で販売するためには、どうしたら人に買ってもらえるのかを知らなくてはいけません。僕はそのとき初めてマーケティングについて勉強することになりました。それが面白いのなんの。広告文1つでこんなに顧客の反応が変わるのかと、まさにのめり込みました。しかも、どれだけ追究しても終わりがない。
飲食店バイトをしていたときは、経験のない最初こそ新鮮で面白かったものの、ひと通り仕事を覚えてからは同じことを繰り返すだけで、時間を切り売りしている感じがしたものです。でも、マーケティングはやり切るということがないのです。1つ手法を身に付けたらまた次。それを身に付けたらまた次と、どんどん高みを目指せます。飽きるということがない。
代表の小川は僕が尊敬するマーケターの1人で、実際にすごい人ですが、その小川でさえ「自分はまだまだ」と言うくらいです。小川と僕であれば、販売するのが同じ商品だったとしても、成果は100倍も200倍も変わるでしょう。つまり、マーケティングというのは誰がやっても同じというわけではない。そしてその差を生むのは、自分が一生懸命身に付けたスキルや知識だということです。

スポーツの世界では「練習は裏切らない」と言いますが、それと同じ。学べば学ぶだけ伸びていきます。とくにダイレクト出版でやっているダイレクト・レスポンス・マーケティングは、数字をきちんと計測する手法ですから、人によって評価が変わったり感覚で推し量ったりすることがなく、成果は誰が見ても一目瞭然です。その数字を追っていけば、自分の成長がはっきり実感できるのです。
じつは僕は高校時代、野球部の監督から「お前、器用貧乏やな」と評されていました。僕のポジションはセカンド。でも状況に応じてサードもやれば内野もこなします。そうやっていろいろそつなく器用にできるけれども、何か突出したものがあるわけではない。だから試合では使えないと、監督からズバッと言われていたのです。
そのときから、僕のなかでは「何でも“そこそこ”じゃダメだ」という強い思いがありました。何か1つ、自分の武器になるようなものを持たないといけない。マーケティングを追究したら、きっと自分の武器になる——僕にはそんな予感があったのです。なにしろ周囲には尊敬できるマーケターの人たちが山ほどいるのですから。僕がマーケティングにハマった背景には、そんなことも影響していたのかもしれません。
今、僕はマーケティングの知識を生かして、セミナーやスクールの講師も務めていますが、しばらくしてから受講者の方から連絡をもらうことがあります。「学んだとおりにやったら売上がめちゃくちゃ上がりました」「自分の力で集客できるようになりました。ありがとう!」——僕が喜びを感じる瞬間です。
自分のスキルを伸ばすのも喜びなら、それによってお客様の役に立てるのも喜びです。身近で受講者の方の成長を感じられるのは、僕の仕事のやりがいの1つになっています。

一従業員にも求められる「経営者マインド」

さて、そんな僕の当面の課題は、視座を高めることです。ダイレクト出版では、一従業員であっても「経営者マインド」を持って仕事に当たることが求められるのです。上司からも、「ただの従業員として事業を見るんじゃなく、自分が経営者だったらどうするか考えながら仕事しろ」と常日頃、フィードバックを受けています。自分の成果が上がれば当然、評価はしてもらえますが、それはプレイヤーとしての評価。その先は、マネージャーとしての成果がなければ評価にはつながっていきません。そうでないとチーム全体、組織全体で成果を出していくことができないからです。
そのためにダイレクト出版では、小さい組織(事業部・チーム)で全体像を見ながら仕事するという仕組みになっています。事業部はどれだけ大きくても20人以下。3~4人で回している事業部もあります。イメージは部署それぞれが従業員20人以下の小さな会社で、それが集まってダイレクト出版になっているという感じ。小さい組織なので、事業の数字やP/L(損益計算書)を見ても、自分の仕事がどう影響しているかということがよくわかります。

ちなみにダイレクト出版では、事業上の数字は月1回発行される社内報ですべて開示されており、社員なら全員アクセスすることができます。課長しか知らない、部長しか知らないということがないので、一従業員でも経営者マインドを持つことが可能なのです。
こんな話を高校・大学時代の友人たちにすると、みんなから一様に驚かれます。そして自分が若いうちからいろんな経験をさせてもらっているというのをすごく実感します。ある大企業に就職した友人は、入社後半年は研修と飲み会の幹事しかしていなかったそうです。「マジか!?」と思いました。
半年もあったら何ができるでしょう。広告文が作れるようになる。自分で商品を企画できるようになる。ランディングページ(検索結果や広告などを経由して訪問者が最初にアクセスする商品訴求のためのページ)が作れるようになる……。広告という1つの仕事だけでもできることがこんなに増えていくのに、半年も自分の成長を感じられないなんてすごくもったいないです。
そして今、僕は26歳にして経営者マインドを叩き込まれている。それは自分を成長させてくれるすごく恵まれた環境だと思います。

会社のすごさをみんなにわかってもらいたい!

僕はダイレクト出版のことが大好きです。だって、こんなにマーケティングに特化した会社って他にないですよ。僕らはずっとマーケティングに力を注いできたので、商品の価値を伝えて販売するという力は、そんじょそこらの企業には絶対に負けません。
ダイレクト出版のマーケティングにかける熱意はすごくて、インフラまで自社で開発するという徹底ぶりです。一例を挙げると、ある商品を販売したときに「こちらの商品も一緒にいかがですか?」と勧める手法をアップセルといいますが、「これはいい仕組みだ。やろう!」と思っても、そもそもそのための決済システムを持っていなければできないんですね。
さらに、そのお客様にぴったり合った商品を案内するのが一番いいマーケティングですが、それだって顧客リストを細かく細かく管理してセグメントするシステムがなければできません。ダイレクト出版は自分たちに必要なシステムを自社で開発しているので、やりたいと思ったマーケティングの施策ができないということがないのです。それは珍しいことだと思います。
マーケティング力と、それを実行できるインフラシステム。この2つが揃っていることがダイレクト出版のすごいところです。だから僕は誇りを持って働いているのですが、本音を言えば、もっと会社の名前を有名にしたいという気持ちもあります。

というのも、就活生のなかには「親から反対された」という人が少なくないからです。現に僕もそうでした。
僕の父は大企業に勤めるサラリーマンで、ゆくゆくは息子も同じ道を歩んでくれることを期待していました。僕自身、「就職は大手商社にしようかな」なんて言っていて、父もご満悦だったのです。ところがダイレクト出版に出会って急に、息子が「この会社に就職する!」と言い出した。望めば大企業にだって就職できるだろうに、わざわざ海の物とも山の物ともつかぬ会社で働くなんて……と、随分反対されました。
しかも悪いことに、ネットで検索するとダイレクト出版に対して否定的な意見を言う人もいたりするんですよね。ダイレクト出版は昔からマーケティング先進国のアメリカ仕込みでビジネスをしてきました。たとえば今では日本でも当たり前になっているサブスクリプションの仕組みも、かなり早い段階から導入しています。しかし当時はまだその手法が日本では新しすぎて、誤解する人や偏見を持つ人もいたのです。その風評を見た両親の疑心暗鬼を解くのには、なかなか苦労しました。だから、10人いたら10人が、ダイレクト出版の名前を聞いて「あのダイレクト出版!? すごいね!」と言ってもらえるような会社にしたい。それが僕の望みであり、今後の目標です。
これからダイレクト出版はさらに拡大していくでしょう。そのとき人々から本当にそう思ってもらえるように、僕は顧客にとって真に価値ある商品、価値ある広告作りを模索し続けています。

清水智也
1995 年、大阪府生まれ。立命館大学卒業。大学3 年生のときにダイレクト出版でインターンを始める。そこでマーケティングの魅力に取り憑かれ、そのまま入社。今はマーケティング事業部の広告の責任者として、チームメンバーと共に、日々、価値のある広告制作に励んでいる。また、WEB 広告の作り方を教えるセミナーの講師も務める。